トロイ
先日観た映画ですが、そろそろ落ち着いてきたので感想でも。
ついでに ☆激しくネタバレ☆ なんで、これから見る予定の方はスルー希望。
さて、この映画、割かし批評なんか覗いたりしたら、非常にいい表現があったので載せときます。
「感情移入を拒否する物語」
まさしくこれです。
物語が展開していく上では必ずしも主人公というものが存在します。
しかし、この映画、最後までその主人公が誰なのかわかりませんでした。
アガメムノン:ミューケナイ国王。めちゃ悪者。弟寝取られ。
アキレス:その配下。ブラッド・ピット。蝶強い。
王子(名前忘れた):トロイ第二王子。貧弱。寝取り。
ヘクトル:トロイ第一王子。強い。カクイイ。中盤で死亡。
ブリセウス:ヘクトルの従姉。ヒロイン。お相手はアキレス。
キャラを端的に表すとこんな感じ。
主人公は誰か、と問われればアキレスか王子な訳なんですが、視聴者心理としましては蝶悪者として描かれていたアガメムノンの配下のアキレスを応援したいとは思わず。
かといって、寝取りによってトロイ国民を危機に陥らせた王子には同意したくもなく。
一番完全な英雄として描かれていたのはトロイ勢のヘクトルな訳ですが、彼もまた中盤でアキレスによって完膚なきまでに殺されるのでなんというかどこをどう感情移入していいかわかりません。
まあ、結局のところ、アキレスと王子のダブル主人公で行った物語だった、というのが妥当なのだろうと。小説なんかの手法ではよくありますし、実際私もよく使います。が、あまりにも置いてけぼりすぎというか、一歩間違えればこうなるのかと素直に教訓を戴きました。
まあ、戦闘描写なんかはロードオブザリングとかと比べるとダメですが、それでも秀逸ですし、テレビの日曜ロードショーとかでやってたら見てみるのもいいかも。
但し、トロイの話と言うことでFateファンの中には妙な期待を抱く方がおられるかもしれませんが、アイアス殆ど出ません。Fateではゲイボルグ防いでたアイアスの盾も鉄棍で穴空きます。Fateファンは素直にキングアーサー観に行きましょう。
あと、トロイ伝説自体が大好きだという方、トロイの木馬とか出てきますがこらまたお座成り
。アキレスも例によって件の死に方をしますが……あー、あそこは一応盛り上がったのだろうか、ううむ。
結局のところ、この映画は何が描きたかったのだろう。酷く、謎――。