お金といえば



 この前、まだ「そろそろお金やばいんだなぁ父さん」と星空を見上げながら呟く程度だった頃、精をつけようと天下一品たるラーメン屋に赴いてラーメンセット大(税込み730円)を食しました。
 そして、スープをご飯にかけたり、あまつさえ沢庵を浸したり、からし味噌入れたりした後、レジの前にてどこまでも軽い財布にため息を吐きながら、涙ながらに開いて1030円出したところ。
 おつりかえってきました。
 940円も。
 きっとこれは可哀想な僕に店員さんが察してくれた愛なんだ。
 そう思いつつ、笑顔でミス(多分気付いてない)を報告する店員さんを背中に向けて、私は店を後にしました。
 出た途端に普段の3倍のスピードで進んでいた僕の脳内家計簿は、まだまだ哀しいほどにまっかっかだったことは言うまでもない。