ドキッ☆名無しさんだらけのクラナドSS大会



http://www.geocities.jp/toya6rotty/nanasi.html


 うっかり参加表明しかけて、慌てて取り下げました。楽しそうっちゃ楽しそうなんですが、よくよく考えなくても場違いですよ。僕。
 作者当てって割と頻繁に行われてるので勘違いしやすいんですけど、基本的には身内以外お断りな企画なんですよね。まず第一に、その人の作品を読んでないと始まらない。それも、癖やら嗜好やらを把握できるくらいに読み込んで初めて作者当てが可能である。こんぺなんかで割と頻繁に行われてるのは、その書き手さんの名前がある程度通ってるからっていう。私程度だと、結局は身内しか予想してくれませんし、できないと思います。
 あと、この企画、作者当てを最重要点に置いてるという。つまるところ、できる限り人に喜んでもらえる、自分最大限のクオリティを保つという制約がない。普段のこんぺなら順位が着くということである程度はそれがあるんですが、この企画ですと作者のプライド以外はないといっても過言ではない。つまるところ、これはアレですよ。迷彩をかけるってのは自分が普段は絶対書かないようなものを書けばいいわけで。





(注)これはALLエンドの後日談です。




奇跡はかなった・・・。


おかげで、俺はまた幸せな日常をとりもどせたわけなんだけれど・・・。


これはどうすればいいんだろう(汗)


名雪「祐一〜。まつんだお〜。」
あゆ「うぐぅ。待ってよ祐一くん!!」
真琴「あぅー。祐一、待つのよー!!」
美汐「相沢さん、待たないのは人として不出来でしょう。」
栞「祐一さん、待ってくださーい。」
香里「相沢君、待たないと殺すわよ・・・。」
佐祐理「あははー。待ってくださーい。」
舞「祐一・・・。待つ・・・・・・・。」
祐一「だから追いかけてくるなって言ってるだろうが!!!」


今こんな感じになってしまっている。
みんなが幸せになったのはいいんだけど・・・。
おかげで毎日毎日奢らされてばかりだ。
金もなくなるし、体力も気力も奪われる毎日。
どうすればいいんだろう・・・。




だから、俺は聞いてみることにした。










(水瀬家の居間)
祐一「秋子さん! 助けてください!」
秋子「了承。」(紙を祐一の前に)
祐一「えっと・・・、秋子さん、これは・・・?」
秋子「婚姻届です。」


・・・秋子さんあなたもですか。


つづく!




 森の夜は早い。木々の隙間から毀れるように差し込んでいた幾本もの光の筋は、その姿を徐々に赤みを帯びたものへと変え、そして途切れる。残ったのは深淵のごとき闇と獣たちの這いずる音。そして、時折理解できる言葉と共に広がる赤い火は薄っすらと視界に映っては消え、その度に浩平の額には冷たい汗がゆっくりと伝っていった。
 城下町の先に広大な森が広がっていることを浩平は知っていた。というより、先に目覚めた場所がここであって、実情はただ来た道を戻ってきただけに過ぎない。しかし、諦めようとしない追っ手を鑑みれば、それはただ戻ってきた以上に英断であったかもしれない。こと身を隠すという点において、これ以上の選択は考えられなかった。
 既に闇が支配したこの森において、彼はじっと息を潜めていた。怒号と人の足音が過ぎ去り、辺りが静寂で満ちた時になってようやく彼は大きく息を吐き、その場に崩れるように大の字に寝転がった。
「……ようやく行ったか」
 溜息混じりに一人呟く。まるで映画の主人公にでもなった気分だった。しかし、タイムスリップして武士の時代に飛ぶなんて話、今時の映画でさえなかなか目にするものではない。はは、と乾いた笑いを浮かべる。そして、静かに目を閉じた。
 夜の森は思ったより明るかったらしい。月明かりに照らされた視界と閉じた視界では、やはり後者の方がよほど漆黒という名に相応しい色をしていた。瞼を上げると木々から漏れた月光が斑のように広がっている。ホウホウと梟の鳴く声が聞こえた。途端に軽い興奮状態から冷や水を浴びせかけられたように五感が鋭利に研がれ、ふと世界が広がったような、そんなイメージを浩平に抱かせる。
 今ならなんだってわかる。そんな嘘みたいな感覚が浩平を支配していた。獣たちが湿った大地を踏みしめる微かな音さえ、聞き逃すことなく浩平の耳に届いた。森の清浄な空気は、その懐に抱えた存在以外のものを許さず、違和感として嗅覚に訴えかけた。
 研ぎ澄まされた五感は純粋に浩平に前へ進む勇気を与えた。そうでなければ、電灯もないこの世界で浩平を夜の森で徘徊させるなんてことは不可能だったであろう。よっと振り子のように反動をつけて立ち上がった。景気づけである。
「で、ここはどこだ?」
 先に目覚めた場所がこの森であっても、その全てを知っている訳ではなかった。森に入るまでは道順も微かに記憶に残っていた。しかし、必死に追っ手を撒いていた時の記憶など決して頼りになるものではなかった。しかも、その記憶は既に薄れ、森に入ってからは全てが同じシーンを繰り返していたように思える。



 上記の二つは正真正銘去年の冬辺りにまったく同時期に書いたものでして、なんかアホな企画があって、無理矢理書いたもの(上)とそん時辺りに書いてた没作(下)です。後者が割と固めに書いていたような気がしたので比較対比させてみました。ぶっちゃけプライドさえ捨てれば、こんなんは幾らでも書ける訳で、この上のを出したなら例えこんぺに出しても誰にもバレない自信があります! 超自慢にならない訳ですがっ。
 とはいえ、特に利点がない訳でもなく、こう言った下種さえいなければ、ある作者の新たな作風が見られるかもしれない場であり、または書いている本人が自分でも気付いていなかった作風へ足を広げるかもしれない場でもある。しかしながら、どっちにしろ参加者しらねえことには意味ないよ、ないよって訳で、やめときます。
 少なくとも公開してやるべき企画ではないと思うんですけど、そこを敢えて公開し、参加者を広く集めたことがどう影響するのか。実験的な意味合いを含めて、結構気になってはいます。