ふたつのスピカ



 立ち読みで済ませようかと思いましたが、全巻大人買い。正直、買ってよかったと思います。俺も本屋でブラックリストに載るとこでした。
 いや、序盤はぐっと来るとこはあっても、大丈夫だったんですよ。「2015年の打ち上げ花火」も根性で堪えました。負けちゃいけないと思ったんです。いや、手を合わせるとこで、もう涙腺決壊したんですけどね。
 勿論、ライオンさんの友人、親父の友人のとこも号泣しました。やっぱ大ゴマの威力が強すぎます。公園の電灯を消して、のあのシーンは文句なしにきました。そして、二度目のあのシーン。負けるもんかと堪えました。堪えようとした。「せーの!」ってなんだよ。本当にどうすることも出来ない涙と鼻水でした。
 無論、それ以外でもかなりやばい。先生の結婚に涙するライオンさんも、マリカのちょっとした表情にも、秋の言葉も、府中野の心も、とにかくそれぞれ小さなコマで泣かせてくれる。特に、12巻読んだ今となっては、秋が後輩にアスミの凄さを教えてるとことか、秋が走るアスミを見つめてるとことか、そういった部分でもマジ泣きしそうです。なんてこったよ。ホント、明日仕事だってのに、深夜にマンガ読んで号泣してる俺。親には見せられない姿でした。
 同時に、ひたむきに、それぞれのやり方で夢に向かって進むキャラクターたちをみて、色んなものを受け取ったような、そんな気もします。本当に読めてよかった。いや、あと半年後、一年後、仕事に慣れ、疲れ、色んなものを失っている時にこそ読みたかったかもしれない。「俺も頑張ろう」と、「よしっ!」と頑張れる、まさにそんな作品でした。マジ、買ってよかった。また読み返そう。


 ていうか、12巻までしか出てないのが拷問ですよね。レイニー止めどころじゃねえよ。